不動産売却の手続きには専門用語が多く用いられ、内容を理解するために法律の知識が要求されるケースも少なくありません。
大きな金額が動く取引なので、理解が不十分なまま手続きを進めると大きなトラブルに発展する可能性もあるでしょう。
そこで今回は、不動産売却時に活躍する司法書士の役割や手続きを依頼するメリット、かかる費用について解説します。

司法書士の仕事と不動産売却における役割

司法書士とは、専門的な法律知識に基づいて登記や供託といった手続きの代理業務をおこなう職業です。
司法書士が仕事をおこなう分野は不動産取引だけではなく、裁判関連の手続きや債務整理、遺言書作成の相談などさまざまです。
不動産売却においては所有権の移転や抹消にともなう登記手続きをおこなう際に、登記の専門家である司法書士が活躍します。
また、売主と買主の間に司法書士が入ることで、公平な立場からお互いの身分や契約内容の確認が可能です。
所有権移転登記は買主がおこなう手続きなので、多くの場合、買主側が雇用した司法書士が作業を進めることになるでしょう。

不動産売却手続きを司法書士に依頼するメリット

司法書士に手続きを依頼するメリットとしては、トラブルの予防と時間・労力の削減という2点が挙げられます。
登記手続きは司法書士だけに限定されたものではないため、買主や売主自身がおこなうことも可能です。
しかし登記手続きは専門的な知識が要求される複雑なものであり、多くの必要書類も準備しなくてはいけません。
また、申請内容に不備があると受付は拒否されるので、不慣れな人間がおこなうと手続きが長引く可能性もあります。
十分な法律的知識がないと悪意のある取引を判別することも難しいため、場合によっては大きな損失につながることもあるでしょう。
司法書士に手続きを依頼すれば、トラブル発生のリスクを減らし、手続きにかかる時間と手間も節約できるのです。

不動産売却手続きを司法書士に依頼した際の費用

司法書士に業務を依頼した際に売主側が負担する費用は、抵当権抹消登記費用および住所変更登記費用・氏名変更登記費用です。
抵当権は住宅ローンを組んで不動産を購入した際に設定されるもので、ローンを完済しても自然消滅することはありません。
抵当権の残っている物件は売却が難しいため、司法書士に依頼して抵当権抹消登記を済ませておきましょう。
抵当権抹消登記費用は、国に納める登録免許税が不動産の数×1,000円、司法書士への報酬が5,000円から1万円程度です。
また、不動産に登記されている住所や氏名が現在のものと違う場合も、その不動産は売却できません。
住所や氏名を現在のものに変更する手続きが、住所変更登記・氏名変更登記です。
こちらも登録免許税は不動産の数×1,000円ですが、司法書士への報酬は1万円から2万円とやや高めになっています。

まとめ

登記は不動産取引における重要な手続きであり、そこに不備があると契約自体が白紙になってしまう可能性があります。
そのため無理に自分で済ませようとせず、司法書士に依頼して手続きを代行してもらうと良いでしょう。

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